12月末までにチェック!:NISA限度額
2015年12月22日
年末調整業務でバタバタしている、名古屋の税理士 米津晋次です。今年もあと1週間あまりとなりました。
最近は、年末までにチェックすべきことを掲載させていただいております。
今回は、NISAについての確認です。
■NISA口座には年ごとの非課税投資枠がある
NISAとは、その口座で得られた株式等の値上がり益や配当金、分配金が非課税になることでした。
そして、このNISAには、毎年100万円という投資額の非課税限度があります。
(※追加:2016年からは120万円に増額になりました。この記事最後をご覧ください)
この限度額も1月1日から12月末までの累積金額です。
今年の累積投資額が70万円なら、30万円の投資枠が残っていることになります。
もし、このように今年分の投資額がまだ100万円に達していなければ、
この非課税限度の投資枠の有効活用という点で、
追加投資も検討されてもいかがでしょうか。
■NISA口座の非課税投資枠を埋めればいい訳ではない!
以前ミニコラムに書いた贈与や、このブログの前回記事のふるさと納税も、年末までにチェックすべきものとして紹介いたしましたが、これらは、実行すればその効果は約束されたものでした。
→【ミニコラム】土地の生前贈与では贈与税だけでなく登記費用も考慮に!
→【ブログ】年末までにチェック:ふるさと納税
しかし、NISAは違います。
単純に追加投資をすれば良いわけではありません。
投資枠があと30万円空いているからと30万円追加投資をしたものの、
その後その株式等の値が下がって20万円になってしまっては損になってしまいます。
それなら、焦って12月に投資しなければよかったということになります。
さらに、NISAの注意点の一つに、
・売却損を一般口座や特定口座で発生した売却益と損益通算できない、
ということがありました。
NISA口座で投資していた株式などで30万円の売却損が発生したとしましょう。
一方、一般口座で逆に30万円の売却益も発生していたとしましょう。
30万円の売却損と30万円の売却益を相殺(損益通算)できれば、
一般口座の売却益には税金が発生しません。(売却益30万円−売却損30万円=売却益0円)
しかし、NISA口座の売却損と一般口座の売却益は損益通算できないことになっています。
したがって、一般口座で発生した売却益30万円には税金がかかってしまうことになります。
NISAは売却益が発生すれば非課税でとてもお得ですが、
売却損が発生すると、逆にそれが働いてしまうこともあることには注意する必要があります。
したがって、NISAの投資枠が余っていても、
その株式等が買い時かどうかを冷静に判断して
追加投資をするかどうかを決めてください。
くれぐれも投資枠を有効活用しましょう、という勧誘にはご注意を!!
■12月25日までに購入する
「12月中に投資」と書いていますが、市場で取引される年内最後の日=大納会は例年12月30日です。
12月31日に購入しようと思っても、その日は市場は開きません。
それだけではありません。
株式の場合、税制上は引き渡し日が購入した日となります。
また、株式の売却約定日から記載して4営業日目が引き渡しとなっています。
12月25日取引分の引き渡し日は、12月28日。
12月26日取引分の引き渡し日は、12月29日。
12月27日取引分の引き渡し日は、12月30日。
つまり、12月27日までの取引が今年分の売買とされ、
12月28日以降の取引は、翌年の売買とされてしまいます。
この間に休日が入れば、12月27日では翌年分になってしまいます。
つまり、12月中に購入といっても、実際には12月25日ぐらいまでに購入する必要があります。
■NISA口座の2016年改正事項
なお、このNISAですが、来年から改正事項があります。
(1)非課税投資枠が、年間100万円から120万円に増額
2016年からNISAの非課税投資枠が、今年までの年間100万円から120万円に引き上げられます。
この非課税投資枠が120万円に増額したことで、
例えば、毎月10万円ずつ投資することができるようになります。(10万円×12ヶ月=120万円)
このような積立投資に便利な金額になります。
(2)ジュニアNISAが開始
もう一点、これまでのNISAは20歳以上が対象でしたが、
19歳以下を対象とした「ジュニアNISA」が2016年よりスタートします。
この「ジュニアNISA」は0 - 19歳が対象で、
最長20年という長期にわたる資産形成を目的とした制度です。
2016年4月1日(受渡分)から年間80万円、
5年間で最大400万円までの投資金額から得られた利益や配当金等が非課税となります。
また、5年間の非課税期間が終了した後についても、
一定の金額までは20歳になるまで引き続き非課税で保有することもできます。
※参考:NISA関連ミニコラム
・NISAの注意点と活用ポイント (1)
・NISAの注意点と活用ポイント (2)
・NISAの注意点と活用ポイント (3)
・NISAの注意点と活用ポイント (4)
【投稿者:税理士 米津晋次】
※当ブログの記事は、投稿日現在の税制などに基づいております。その後改正があった場合には、ブログの記事が最新の税制に適合していない場合もございます。 また、当サイトのコンテンツについては、正確性の確保に努めてはおりますが、いかなる保証をするものではなく、弊所は一切の責任を負わないものとします。 したがって、当サイトのご利用については、自己責任で行っていただくようお願いいたします。(税理士 米津晋次)
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