雇用保険料率が変わりました
2016年04月05日
こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。
本日は東京へ出張していましたが、
中目黒の桜が満開でした。
名古屋の山崎川の桜のように、川沿いに桜が帯状に咲いてとてもきれいでした。
【雇用保険料率の引き下げ】
さて、「雇用保険法などの一部を改正する法律」により、
平成28年4月1日より雇用保険料率が改定されました。
従来の保険料率は、一般事業で13.5/1000でした。(労働者負担:5/1000、雇用主負担:8.5/1000)
これが、一般事業で11/1000になります。(労働者負担:4/1000、雇用主負担:7/1000)
つまり、雇用保険料率が下がったのですね。
下げ率でいえば、労働者:1/1000、雇用主:1.5/1000 になります。
1/1000というと、給料10万円に対して100円。
所得税の課税対象額が逆に100円増えますが、
ほぼ手取りが10万円あたり100円増えることになります。
ほんのわずかでも、手取りが増えるのはうれしいですよね。
私は雇用主側ですので、1.5/1000下がるということは、
100万円で1500円、1000万円で15000円負担が減るということです。
私も素直にうれしいです。
どうして下がったのでしょうか。
言うまでもなく、失業率が下がって失業保険給付金総額も下がり、
一方、給料から徴収する雇用保険料が増えたため、
雇用保険の財政状況が改善したということですね。
2016年3月29日に公表された、
総務省統計局の「労働力調査(基本集計)平成28年(2016年)2月分」
によれば、
(1) 就業者数,雇用者数
就業者数は6351万人。前年同月に比べ29万人の増加。15か月連続の増加
雇用者数は5684万人。前年同月に比べ89万人の増加。38か月連続の増加
(2) 完全失業者
完全失業者数は213万人。前年同月に比べ13万人の減少。69か月連続の減少
(3) 完全失業率
完全失業率(季節調整値)は3.3%。前月に比べ0.1ポイント上昇
というように、就業者・雇用者数の増加、完全失業者数の減少が長期にわたって続いています。
【新保険料率の引き下げのタイミング】
この新雇用保険料率は、いつの給料から変更するかを確認しましょう。
給料を計算する総務の方は気になるところです。
雇用保険料は、給与の締切日を基準として取り扱うことが原則になっています。
しがって、変更するタイミングはそれぞれ次のようになります。
(例)
・20日締め当月25日払い:4月20日締め4月25日払いより新保険料率
・末日締め翌月10日払い:4月30日締め5月10日払いより新保険料率
【念のため確認しましょう】
(1)雇用保険料の計算方法
給料計算における雇用保険料の計算方法の確認をしましょう。
雇用保険料=その月の「総支給額」×「雇用保険料率」
注意点は、課税支給額に保険料率をかけるのではないということです。
非課税通勤手当や非課税宿直・日直手当も含めた総支給額に保険料率をかけるということです。
たまに見かけるのが、雇用保険料を毎月同額を控除している給料明細です。
健康保険料や厚生年金保険料と異なり、雇用保険料は毎月の総支給額が変われば保険料も変わります。
時給や日給の人は当然毎月変わるでしょうし、月給の人でも残業代などで変わることが多いでしょう。
再確認しましょう。
(2)高齢者の免除
雇用保険には、高齢者の免除制度があります。
64歳を超えて継続雇用される従業員からは、雇用保険料を徴収しません。
ただし、ここでも注意点があります。
64歳以上というのは、誕生日でみるのではないということです。
4月1日現在で満64歳以上であるということです。
これも、年度の考え方ですね。
満64歳になった方から誤って雇用保険料を控除していないかも確認しましょう。
なお、今回の改正で、65歳以降に新たに雇用される人を雇用保険の適用対象とすることになっています。
(ただし、保険料の徴収は平成31年度まで免除)
【投稿者:税理士 米津晋次】
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