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2015年07月15日

ふるさと納税を一緒にやってみよう(準備編)

2015年07月15日
こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。

よねづ税理士事務所公式サイトのミニコラムに、2回にわたって「ふるさと納税の落とし穴」について説明してきました。

 →「<<コラム>>ふるさと納税の落とし穴に注意を(その1)」

 →「<<コラム>>ふるさと納税の落とし穴に注意を(その2)」

とはいうものの、じつは私自身がまだふるさと納税をやっておりませんでした。(汗)

そこで今回、自分でふるさと納税をやってみました。
まだやっていない方もできるような形で一緒に進めていきたいと思います。



■一番お得となる寄付金額とは

最初にやるべきことは、自分にとって、自己負担額が2000円で済む寄付金の限度額を知ることです。
この限度額ぎりぎりまでの寄付をして返礼品を受け取ることが、一番お得になるからです。(あくまで金額換算ですが・・・)
限度額を大幅に下回れば、お得度が不充分になりますし、欲張って寄付をして、限度額を超えてしまった場合は、自己負担額が2000円を超えてしまいます。

具体的に比較してみましょう。
限度額が10万円で、すべて返戻率50%の品物を受け取ったとします。
ちょうど10万円の寄付をした場合、10万円×50%−2,000円=48,000円のお得ということになり、これが一番お得なことになります。
5万円しか寄付しなければ、5万円×50%−2,000円=23,000円のお得となって、先ほどの48,000円を大きく下回ります。
限度額を超えた12万円を寄付すると、12万円×50%−(2000円+限度オーバー額2万円)=38,000円となって、これも10万円の寄付と比較してお得度が下がってしまうのです。



■寄付金限度額を知る方法(1)

でも、この寄付金の限度額を計算するのは大変です。税理士の私でも計算したくはありません。
そこである程度簡単に寄付金の限度額を知る方法を2つご紹介しましょう。

一番簡単なのは、インターネットの検索エンジンで、「ふるさと納税 目安」のキーワードで表示されるサイトを見る方法です。



家族の状況と給与収入によって寄付金限度額の目安が表になっていると思います。
たとえば、独身者で給与収入300万円ですと、目安は27,000円前後、夫婦と子供2人で給与収入500万円だと30,000円前後になるかと思います。
数値はサイトによって多少異なりますので、念のため複数のサイトで確認してください。近い金額ならOKです。
注意したいのは、古いサイトです。改正前の限度額で計算され、目安がほかのサイトの半額程度になっていることがあります。

いかがでしょうか。この方法は簡単ですよね。ただし、あくまで目安です。単身者でも、払っている社会保険料や生命保険料、住宅ローン控除を受けているかどうかなどによって、限度額は変わってしまいます。子供2人といっても、高校生以上が2人の場合と小学生2人の場合で限度額は変わるからです。



■寄付金限度額を知る方法(2)

もうひとつは、もう少し手間をかけてより正確な目安を計算しようとするものです。お手元に、6月給与で勤務先から渡された住民税通知用紙か昨年の源泉徴収票を用意してください。個人事業主や副業のある方のように所得税の確定申告をした方は、昨年分の確定申告書を用意してください。
インターネットで「ふるさと納税 試算」のキーワードで検索をしてください。より細かな計算をするサイトになっていると思います。



「給与収入」(または「給与所得控除後の金額」)、「所得控除額の合計額」程度を入力するものが多いようです。
住民税の通知や確定申告書を参考に、今年の収入や所得控除額を予想して入力します。確定申告をした方は、「合計所得金額」の予想を「給与所得控除後の金額」に入力します。

先ほどの目安よりも手間はかかりますが、より正確な限度額を知ることができます。

計算してみると実感しますが、「ふるさと納税」ってじつは高所得者優遇制度なんですよね。所得が多いほど自己負担2000円で済む寄付金の限度額は高くなりますから。



■返礼品の方針・配分を決める

寄付金の限度額の目安がわかりましたので、早く手続きをしたいところですが、よりお得度を増すためには、どんな返礼品をもらっていくのかを考えることが大切です。

大きく2通りの考えかたがあると思います。
ひとつは、ふるさと納税によって家計をの支出をできるだけ抑えようという方針です。節約型ですね。この場合は、お米や野菜など、日常の買い物の代わりになるものが中心になります。



もうひとつは、普段なかなか購入できない贅沢品を中心に受け取ろうという方針です。牛肉や蟹、あわび、メロンといったものになります。食べ物以外の高級品も見つかることがあります。



どちらかに決める必要はありませんが、限度額までの寄付金を概ねどのような物にどれくらい配分するかの方針は必要でしょう。



■お好きな品物をお礼で提供している自治体を探す

返礼品の候補が決まったら、それをお礼として提供している自治体を探します。
最近は、ムック本で「ふるさと納税」だけについてまとめられている書籍も多く発行されていますし、週刊誌でも特集が組まれていることがあります。
インターネットで「ふるさと納税 (欲しいもの) ランキング」とか「ふるさと納税 (ほしいもの)人気」といったキーワードで検索すれば、人気の返礼品・自治体を紹介しているサイトが多く見つかります。

これらから、目的の品物を提供している自治体の候補を選びましょう。



■寄付する時期の計画も大切

ここまで来るとテンションも上がって、すぐ申込みしたいところですが、その気持ちをぐっと抑えてもうひとつ準備をするといいでしょう。いつどこへ寄付するかの計画を立てることです。今から年末まで、何月にどこの自治体に寄付するのかということです。
どうしてこのような計画が必要かというと、申込みをして数週間から1ヶ月ほどで返礼品が届くことが多いからです。
同じ時期に多くの返礼品が届くと、ストックしておく場所に困りますよね。冷凍庫に入りきらなかったり、部屋が倉庫のようになって狭くなることもあるでしょう。生鮮品の場合は、食べきれなくて腐らせてしまうことになるかもしれません。こうなっては、せっかくの準備が水の泡です。
返礼品の到着予定日から逆算して寄付すれば、このようなことがなくなります。
ただし、人気の返礼品は早く申し込まないと受付終了となることがありますので、優先順位まで考えて申し込むとより満足する結果になると思います。





■とにかくやってみよう

いろいろとふるさと納税について理想の準備を書いてきましたが、最初の一つはあまり何も考えることなく、とにかく欲しいものでやってみる程度でいいでしょう。「ふるさと納税はお得だ」と知っていても、実際にやるひとはわずかなようですから。

長くなりましたので、とりあえず今回は「準備編」ということにします。次回は実際に私がやったふるさと納税の様子をご紹介します。







住民税のふるさと納税控除額を必ず確認すべし
12月までにチェック!ふるさと納税
ふるさと納税を一緒にやってみよう(実践編)
《コラム》ふるさと納税の落とし穴に注意を!(その1)
《コラム》ふるさと納税の落とし穴に注意を!(その2)

【投稿者:税理士 米津晋次
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