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2016年01月

「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(0)

2016年01月20日
こんにちは。名古屋の税理士 米津晋次です。

今年に入ってなかなかブログを更新できなかったのですが、
その間に株が下落したり、バスの事故があったり
いろいろなことが起きていますね。

さらに今朝は名古屋でも雪が積もりました。



■ 近づいてきた確定申告

さて、今年もいよいよ確定申告の時期が近づいてきました。

取引先や知人からは、

「年末調整が終わって今は時間があるときですよね」

なんて言われるのですが、

じつは、税理士事務所はまだ確定申告業務をする体制になっていないのです。

それば、次のような1月末期限の仕事が残っているからです。

・税務署に提出する法定調書
・市役所などに提出する給与支払報告書
・市役所などに提出する償却資産申告書

私の事務所も上記の書類の作成、電子申告に追われています。

でも、すでに確定申告についての問い合わせが入ったり、
例年確定申告書の依頼をいただいている複数の方からは
資料をお届けいただいています。

世間では確定申告モードに入りつつあるといったところでしょうか。



■ 副業について確定申告がいるのか?

昨年後半は、マイナンバー制度導入で

副業が会社にバレるのではないか、

ということが話題となりましたね。

話題となるということは、副業をしている人が案外多いことがわかります。

その副業ですが、会社にバレるかどうかと同時に

確定申告が必要なのかどうか

も気になっている方が多いと思います。
(なかには全然気にしていない人もみえるようですが・・・)

検索エンジンで、「副業 確定申告」って検索してみてください。

「年20万円以上・・・」という情報が多く表示されます。




■ 副業20万円以下は確定申告不要?

それは「20万円ルール」なんて呼ばれている規定です。

どういうことか簡単に説明します。

一箇所の勤務先に勤めている一般的なサラリーマンさん、OLさんなら

給与のほかに副収入があったときは、
それらの所得金額が20万円以下なら確定申告はしなくてもよい

というものです。

もっと砕けた表現にすると

サラリーマン・OLで年末調整を受けた人なら、
その給与以外に所得があっても年間20万円以下であれば、
確定申告はしなくていいですよ、

ということです。




■ なぜ20万円ルールがあるのか?

確定申告会場を設置したり、対応する職員の手配をしたり、
提出された申告書をチェックしたり・・・
税務署側でも大変ですから、
少額の副業については申告を省略してもらっていいですよ、ということですね。

少額の副業の人から得られる税収と、申告に対応するためのコストとを考慮した規定です。

自営業者にすれば、サラリーマンは恵まれている、なんて思うでしょうが、
やむを得ない規定だと思います。

●勘違いの多い「20万円ルール」

ただ、この「20万円ルール」については、
勘違いしている方がとても多いようです。

インターネットでも間違った情報が多く見られます。



そこで、次回から数回にわたって
その「勘違い」を指摘していきます。

確定申告をすべきかどうか正しい判断をするのに
役立てていただきたいと思います。

次回からもこのブログ記事をぜひお読みください。




「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(1)
「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(2)
「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(3)



【投稿者:税理士 米津晋次
※当ブログの記事は、投稿日現在の税制などに基づいております。その後改正があった場合には、ブログの記事が最新の税制に適合していない場合もございます。
また、当サイトのコンテンツについては、正確性の確保に努めてはおりますが、いかなる保証をするものではなく、弊所は一切の責任を負わないものとします。
したがって、当サイトのご利用については、自己責任で行っていただくようお願いいたします。(税理士 米津晋次)

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「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(1)

2016年01月21日
こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。

前回のブログでは、「副業20万円以下は確定申告不要」情報を
多くの人が勘違いしている旨をお知らせしました。

今回から、勘違いの内容を指摘していきます。

1箇所の勤務先に勤めるサラリーマン・OLの副業が前提です。



勘違い(1)=住民税の申告もいらない!!


■ 所得にかかる税金には所得税と住民税がある

個人の所得税にかかる税金には、
・所得税(国税)
・住民税(「市県民税」ともいいます。県税・市税)
・個人事業税(県税)
があります。

個人事業税は自営業者が対象ですので、副業には通常かかりません。
したがって、ここでははずします。

再確認してほしいのは、
サラリーマン・OLの所得には、
所得税だけでなく住民税もかかるということです。

勤務先からもらう毎月の給与明細では、
所得税と住民税が毎月控除されていますよね。




■ 「確定申告不要」=所得税の申告だけが不要という意味

「副業20万円以下は確定申告不要」という規定は、
あくまで所得税(国税)だけの規定です。




住民税にはそのような規定はないのです。
副業の所得がたとえ1万円でも住民税の申告はしなくてはいけないのです。

多くの人は、副業の所得が20万円以下なら、
所得税も住民税も申告がいらないと解釈しているようです。

税理士でも間違えている人がいますから、仕方がないところです。

「副業20万円以下は確定申告不要」という情報は
確かに日本語としては間違ってはいないのですが、
不親切なのです。

「副業20万円以下は所得税の確定申告は不要だけど
住民税の申告は必要ですよ」

と説明しないと、勝手に住民税も申告不要だと解釈してしまいます。



■ 所得が多い人って住民税の申告をしているの?

「住民税の申告が必要」というと、
・住民税だけ申告できるの?
・普通所得税しか申告していないですよね
なんて言われます。

じつは、所得税の確定申告をすると、
その情報が市役所に転送されるのです。

つまり、所得税の申告をすると、
自動的に住民税の申告もしたことになります。

税務署などでもらってきた手書き用の所得税の確定申告書をよく見ると、
複写になっていますよね。
その複写の用紙が市役所へ転送されるのです。

逆に言えば、所得税の申告をしないと、
住民税の申告もしたことにならないのです。

副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告がいらない場合でも、
市役所へ住民税だけの申告をする必要があるのです。




もちろん、
副業の所得が20万円以下なら所得税の確定申告はしなくてもいい
という規定ですから、
所得税の確定申告をしてもいいのです。
そうすれば、所得税の追加負担がでますが、
住民税の申告もしたことになります。


■ 勘違い(1)のまとめ

 (誤)副業の所得が20万円以下なら申告は全くいらない



→(正)副業の所得が20万円以下でも住民税の申告は必要である!!





「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(0)

「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(2)

「副業20万円以下は確定申告不要」の勘違い(3)

【投稿者:税理士 米津晋次
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