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2020年12月14日

令和3年度税制改正大綱より中小零細企業に関するもの

2020年12月14日
 
こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。

例年のように、今年も税制改正大綱が令和2年12月10日(木)に発表されました。

 →令和3年度税制改正大綱(自民党)




来年3月末までに国会で審議され、ほぼこのまま通過すると予想されます。


令和3年度税制改正大綱の7つの柱



今回の税制改正大綱は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と戦後最大の経済の落ち込みに対応した、次の7つの柱からなっています。

1. ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生
2. デジタル社会の実現
3. グリーン社会の実現
4. 中小企業の支援、地方創生
5. 経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
6. 経済のデジタル化への国際課税上の対応
7. 円滑・適正な納税のための環境整備

この中から、中小零細企業に関係するものを抜粋して概要を簡単にご紹介します。



DX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制の創設



令和3年に産業競争力強化法の改正が予定され、事業適応計画(仮称)という制度が創設されるそうです。

これは、新商品開発や新生産方式・販売方式の導入によって新需要開拓や生産性向上に取り組む企業が提出するものです。

この事業適応計画を提出した青色申告法人が、計画を実施するために必要な一定のソフトウェア(DXを促進するものが対象)を取得した場合には、そのソフトウェアの取得価額について特別償却か税額控除を選択適用できるようになります。


なお、DXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」です。
(経済産業省「DX 推進ガイドライン」による)


中小企業経営強化税制の延長


中小企業者等が特定経営力向上家設備等を取得した場合には、100%即時償却又は税額控除が出来る制度がありましたが、適用期限は令和3年3月31日とされていました。
この制度が対象設備を一部追加した上で2年間の延長がされます。


中小企業における所得拡大促進税制の見直し


令和3年3月31日が適用期限となっていた所得拡大税制が2年間延長されます。

同時に、継続雇用者給与等支給額の前年比で行っていた増加判定要件が、雇用者給与等支給額の前年比で行うことになります。
今まで集計が大変だった継続雇用者給与等支給額の計算が不要になります。


電子帳簿等保存制度の見直し


事前承認制度の廃止や要件の緩和に伴い、電子帳簿等保存制度がより導入しやすくなります。

これまでは、国税関係帳簿書類の電磁的記録を始める際には、その3ヶ月前に税務署に申請が必要でしたが、この承認制度が廃止になります。
また、今までは真実性の確保など、細やかな要件が定義されていましたが、通常の会計システムであれば要件をクリアできる内容に緩和されます。

ただし、書類等の適正な保存を担保するため、電子データの改ざん等の不正があった場合の罰則規定が併せて設けられます。


【投稿者:税理士 米津晋次
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