2021年02月09日

２月決算法人の月末口座振替保険料、倒産防止共済掛金の口座振替が3月1日になった場合の扱い

　
名古屋市の税理士　米津晋次です。

今年は２月２７日、２８日が休日（土曜日、日曜日）になりますので、通常年であれば２月２７日の口座振替の保険料や中小企業倒産防止共済（経営セーフティ共済）の掛金の口座振替が３月１日（月）になります。




２月決算法人の場合、３月１日の口座振替になると、その保険料が損金扱いになるのかが不安になります。

確か、2019年ゴールデンウィーク10連休で口座振替が5月7日となった場合には、皇位継承に伴う特例的な措置で損金として認められたことがありましたね。

今回は、この場合の保険料や掛け金の税務上の取扱いについて説明します。

３月１日口座振替保険料について税務当局の見解

私が入手した資料によると、２０２１年３月１日（月）に口座振替された場合の保険料の取扱については、一般社団法人生命保険協会を通じ、２月決算の損金の額に算入しても差し支えないとの税務当局の見解です。（下記参照）

つまり、特に何も対策をせず、保険料の口座振替が２月月末が休日であることにより３月１日（月）になったとしても、未払保険料の経理処理により、損金（経費）扱いになるということです。

念のため、加入している保険会社にこの扱いについて必ず確認をしてください。

税務当局の見解

2月決算法人が毎期継続して 2月の同時期に保険料の振替を受けている（今後、振り替えられる予定である）ことを前提として、以下の取扱とする。

【ケース１】
既契約かつ 2 月決算法人かつ月払・年払・半年払・かつ口座振替扱上記の事情により、2 月中に引き落とされるべき既契約の保険料が、2021 年 3 月 1 日に引き落とされた場合、当該保険料（未払保険料）を 2021 年2月決算の損金の額に算入してよい。

【ケース２】
新契約かつ 2 月決算法人かつ月払・年払・半年払・かつ口座振替扱1月中に申込・告知が完了し、保険契約の責任が開始している場合、通常の年であれば、第1回目の保険料の引き落としは 2月中となるが、上記の事情により、2021年3月1日に保険料が引き落とされた場合には、当該保険料（未払保険料）を2021年2月決算の損金の額に算入してよい。

※以後、決算法人において決算月末が休日となる場合は、上記の取扱いに準ずることとする。

各保険会社からの３月１日口座振替保険料についてお知らせ

保険会社から上記と同様のお知らせがされていないか確認してみました。

執筆日現在、インターネット上で見つかった各保険会社からにお知らせは、次のように１社しか見つかりません。

フコクしんらい生命保険

2021 年 2 月の保険料口座振替が 3 月になることに関するご案内（ＰＤＦファイル）

２月中に保険料を振り込むこともできる

このように、３月１日（月）に保険料の口座振替がずれ込んだとしても、保険料の損金扱いについては問題がありませんが、それでも不安の場合は、きれいに経理処理をしたいという場合は、保険料を２月２６（金）までに振り込むことにより、通常年のように損金扱いにすることもできます。

ただし、各保険会社の指定日までに振り込む旨を保険会社に連絡しないと、３月１日（月）の口座振替がされてしまいます。

保険料の振込を希望する場合は、各保険会社へ早急に連絡をしてください。

なお、３月１日（月）に二重で口座振替になった場合でも、後日保険料が返金されますのでご安心ください。

中小企業倒産防止共済（経営セーフティ共済）掛け金の税務上の取扱い

掛け金が全額損金になる中小企業倒産防止共済（経営セーフティ共済）の掛金の引き落とし日は毎月27日ですが同日が休業日にあたる場合は、翌営業日となります。

したがって、2021年（令和3年）2月分掛金（前納金含む）の引き落とし日は、2021年（令和3年）2月27日が土曜日で休業日となることから2021年（令和3年）3月1日（月）になります。

執筆現在、その場合でも、未払い掛け金の経理処理をすることにより、3月1日口座振替の掛け金も損金にすることができるという情報が見つかりません。

なお、生命保険と異なり、中小企業倒産防止共済は、振込によって掛け金を支払うことができません。


また、新規加入の場合で、初回口座振替による前納を選択した場合、2020年（令和2年）12月加入の場合は、2021年（令和3年）3月の口座振替となり、損金計上が認められない可能性がありますのでご注意ください。
　
　
　









【投稿者：税理士　米津晋次】
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