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2021年12月
2022年度与党税制改正大綱が決まる
2021年12月13日
こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。
2022年度与党税制改正大綱決定
自民党、公明党は、2021年12月10日に2022年度与党税制改正大綱を決定しました。
来年の3月末までに国会で承認成立し、4月から施行される予定です。
今回は、全体的に小粒な税制改正となりました。
主なものは、次のとおりです。
■経済の好循環
・賃上げ率などに応じて、大企業は最大30%、中小企業は最大40%の税額控除
・5G通信網の整備支援を延長
・非上場企業への出資額の25%を課税所得から控除する措置を延長及び出資要件を緩和
・住宅取得資金贈与の特例の期限を延長。非課税限度額は500万円。耐震、省エネまたはバリアフリーの住宅用家屋の場合は、1000万円。
■生活を下支え
・住宅ローン減税を延長し、減税期間を10年から13年へ。ただし、控除率をローン残高の1%から0.7%へ引き下げ。所得要件も3000万円から2000万円へ厳格化。
・新型コロナウイルス対応の固定資産税の特例(地価が上昇しても税額が増えない)を住宅地については終了。商業地は上昇幅を半額に。
目玉は、賃上げ税制
2022年度の与党税制改正の目玉は、法人課税の賃上げ税制ですね。
積極的な賃上げ等を促すための措置です。
■対象法人
青色申告の法人です。
法人は個人と違い、ほとんどが青色申告ですから、すべての法人が対象といってもいいでしょう。
■対象期間
2022年度から2023年度末までの間に開始する事業年度です。
つまり、2022年4月1日から2023年3月31日の間に開始する事業年度になります。
■賃上げ要件
継続雇用者の給与等支給額の増加割合が前期比3%以上のとき
中小企業については、増加割合が前期比1.5%以上のとき
■税額控除額
給与支給増加額の15%を税額控除できます。
■税額控除の上乗せ
継続雇用者の給与支給増加額が4%以上であれば、税額控除10%が上乗せになります。
また、教育訓練費の額が20%以上増加していれば、税額控除が5%上乗せになります。
大企業の場合、最大30%の税額控除になります。
中小企業の場合は、雇用者全体の給与総額を2.5%以上増やすと15%上乗せになります。
大企業の場合の給与総額の上乗せ条件は、継続雇用者の給与支給総額ですが、中小企業については、継続雇用者だけでなく、新規の雇用者を含む全体の給与総額になっています。
さらに、教育訓練費用を10%以上増やせば、10%上乗せになります。
中小企業の場合、最大40%の税額控除になります。
■税額控除上限
税額控除額は、法人税額の20%を上限とします。
ほかの税額控除と同じですね。
(引用:NHK)
補助金で賃上げしやすい支援
税制とは別ですが、政府は中小企業が賃上げしやすい支援を始めます。
■ものづくり補助金と持続化補助金に特別枠
「ものづくり補助金」と「持続化補助金」に特別枠を設けます。
赤字企業の場合、設備投資額の2/3を助成するというものです。
賃上げ税制の効果は?
いくら税額控除ができるといっても、それを理由に賃上げが行われることは少ないでしょう。
それに、税額控除は一時的な措置で永遠に続くものではありません。
給与は一度賃上げすれば、税額控除がなくなったからといって下げることはできません。
また、税額控除ですから、赤字企業は賃上げしても特典を受けることはできません。
じつは、賃上げ税制は2013年から所得拡大税制として導入されています。
しかし、効果はあまり上がってないようです。
企業が今後成長でき、賃上げしても大丈夫と思えるような道筋が必要だと思います。
【投稿者:税理士 米津晋次】
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