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2025年04月

創設!最大9千万円の中小企業新事業進出補助金

2025年04月27日
 こんにちは。名古屋市緑区の税理士 米津晋次です。

 令和7年の補正予算で“新しく創設”された「中小企業新事業進出補助金」はご存じでしょうか?
 補助金額最大9千万円と大きな補助金です。

 今回は、この「中小企業新事業進出補助金」について説明いたします。

「中小企業新事業進出補助金」の概要


補助金対象


 「中小企業新事業進出補助金」は、既存事業と異なる事業への前向きな挑戦で、新市場・高付加価値事業への進出等に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援するものです。

公募スケジュール


・公募要領公開:令和7年4月22日(火)
・申請受付開始:令和7年6月頃(予定)
・公募締め切り:令和7年7月10日(木)18:00まで

補助金額


 「中小企業新事業進出補助金」の補助金額は、従業者数で上限額が定められています。

・従業者数20人以下 750万円〜2500万円(賃上げ特例適用時3000万円)
・従業者数21〜50人 750万円〜4000万円(同上5000万円)
・従業者数51〜100人 750万円〜5500万円(同上7000万円)
・従業者数101人以上 750万円〜7000万円(同上9000万円)

 従業者数101人以上で、賃上げ特例も使うと最大で9000万円の補助金を受けられます。

 補助率は一律1/2です。
 したがって、9000万円の補助の場合、1.8億円の投資となります。

 なお、補助下限は750万円ですので、1500万円の投資が必要です。

「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要


 「中小企業新事業進出補助金」の申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
 ID取得には一定の期間が必要です。
 「GビズIDプライムアカウント」をまだ取得していない方は、早めに取得の手続きをしましょう。

補助事業期間


 交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)

補助対象経費


・機械装置・システム構築費
・建物費
・運搬費
・技術導入費
・知的財産権等関連経費
・外注費
・専門家経費
・クラウドサービス利用費
・広告宣伝・販売促進費

 →よくある質問:補助対象経費について

「中小企業新事業進出補助金」の基本要件


 「中小企業新事業進出補助金」を受けるには、次のすべてを満たす必要があります。

新事業進出要件


 「新事業進出指針」に示す「新事業進出」の定義に該当する事業であること。
 新事業進出の定義は、事業を行う中小企業等にとって、事業により製造又は提供する製品又は商品若しくはサービスが、新規性を有するものであり、それらの属する市場が、既存事業の市場とは異なる新たな市場であることをいいます。

 新事業進出要件については、下記で詳細を説明します。

付加価値額要件


 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額(又は従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること

賃上げ要件


 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこと
 (1)補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度〜令和6年度の5年間をいう。)の年平均成長率以上増加させること
 (2)補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上増加させること

 もし、目標値に未達の場合には、補助金の返還義務があります。

事業場内最賃水準要件


 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、毎年、事業所内最低賃金が補助事業実施場所都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること

 もし、目標値に未達の場合には、補助金の返還義務があります。

ワークライフバランス要件


 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること

金融機関要件


 補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受ける場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること

賃上げ特例の適用を受ける場合の賃上げ特例要件


 補助事業実施期間内に、以下の要件をいずれも満たすこと
(1)補助事業実施期間内に、給与支給総額を年平均6.0%以上増加させること
(2)補助事業実施期間内に、事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること

 もし、目標値に未達の場合には、補助金の返還義務があります。


新事業進出要件の詳細


 新事業進出とするに必要な要件は、次の3つがあります。

製品等の新規性要件


 過去に製造又は提供した実績がないこと。

市場の新規性要件


 事業により製造等する製品等の属する市場が、自社にとって新たな市場・顧客層であること。

3.新事業売上高要件


 事業計画期間最終年度において、新事業の売上高が、応募申請時の総売上の10%以上又は総付加価値額の15%以上となる計画であること。
 応募申請時の売上が10億円以上で新事業部門の売上が3億円以上の場合は、事業計画期間最終年度において、新事業部門の売上高が、応募申請時の新事業部門の総売上の10%以上又は総付加価値額の15%以上となる計画であること。

 この要件は、先日終了した事業再構築補助金の要件と似ていますね。

 →新事業進出指針(PDFファイル。中小企業庁)


過去に補助金を受けた場合の注意点


 新事業進出促進補助金、事業再構築補助金、ものづくり補助金のいずれかを、締切日(7月10日)から16カ月以内に採択された事業者、または締切日時点でまだ補助事業を実施中の事業者は対象外になりますので、注意が必要です。

 また、過去の補助金で交付取消を受けたり、収益納付をしてなかったりなど対応してない事業者も対象外になります。

 なお、従業員がいない事業者も対象外となります。賃上げが目的の補助金でもあるからですね。

 上記のほか、創業1年未満の事業者も対象外です。

問合わせ先


 コールバック予約システム(事前にご予約いただいた日時に、コールセンターから折り返し電話をかけるサービス)となっています。

 →コールバック予約システム

 →よくある質問


まとめ


 この「中小企業新事業進出補助金」は、補助額が大きな補助金です。
 新事業への投資を検討されている事業者にとっては、とても魅力的な補助金だと思います。

 詳細は、公募要領をよくみて、要件を満たすようであれば申請してください。


 →中小企業新事業進出補助金(中小企業基盤整備機構)

 →中小企業新事業進出補助金チラシ(PDFファイル)

 →中小企業新事業進出補助金公募要領

【投稿者:税理士 米津晋次
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