令和6年分路線価を国税庁が公表
2024年07月01日
こんにちは。名古屋市緑区有松の税理士 米津晋次です。
国税庁は本日7月1日、相続税や贈与税の課税の際に土地等の評価基準となる令和6年(2024年)分の路線価を公表しました。
→ 令和6年分路線価図・評価倍率表(国税庁)
路線価とは?
相続税や贈与税の計算において、土地等の評価額は時価によって評価することとされています。その評価額の基準となるのが路線価です。
全国の主な道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額を表しています。
本日発表された路線価は、令和6年(2024年)1月1日以降に発生した相続や贈与において、相続税額や贈与税額に影響する重要な指標です。
国税庁が公表する路線価は、時価の概ね80%になるようになっています。
なお、市区町村が固定資産税の計算に使用する路線価は、同じ路線価でも市区町村が作成する別のものです。
→ 路線価とは。目的、固定資産税路線価との違い
全国平均前年比2.3%上昇
全国約31万5千地点の全用途平均路線価は前年比2.3%上昇しています。
住宅地、商業地もそれぞれ上昇し、3年連続で前年を上回り、上昇率も今の算定方法になった2010年以降で最も大きくなっています。
上昇率も前年の1.5%から0.8ポイント拡大しています。
国税庁は、コロナ禍からの回復でインバウンド需要が好調なことや、全国的に再開発が進んでいることなどが要因だとしています。
都道府県別では鳥取県以外は上昇
都道府県の県庁所在都市の最高路線価では、下落したのは鳥取のみとなり、多くの県庁所在都市で前年と比べて上昇しています。
都道府県別に対前年変動率の平均値を見ると、最も上昇率を上げたのは福岡県の5.8%、続いて2位が沖縄県(5.6%)、3位が東京都(5.3%)となりました。4位の北海道(5.2%)までが5%台の上昇率となっています。
関東地方では、東京都が前の年と比べて5.3%、千葉県が4%、神奈川県が3.6%、埼玉県が2.1%と、上昇率が高くなっています。一方、茨城県は0.7%、栃木県はマイナス0.2%、群馬県はマイナス0.5%と、ほぼ横ばいの状況となりました。
令和6年路線価日本一
令和6年分の路線価日本一は、39年連続で東京の銀座5丁目「銀座中央通り(鳩居堂前)」で、1uあたり4,424万円と前年より152万円(3.6%)上がっています。
ただし、過去の最高額である令和2年(2020年)の4,592万円には及んでいません。
なお、大阪では、御堂筋の2,024万円(同5.4%上昇)、横浜では、横浜駅西口バスターミナル前通りで1696万円(同1.0%上昇)、名古屋では、名駅1丁目名駅通りで1288万円(同0.6%上昇)、福岡では、天神2丁目渡辺通りで944万円(同4.4%上昇)となっています。
主要都市の上昇率
日本の主要都市でみると、上昇率が10%以上の都市は、昨年はありませんでしたが、今年はさいたま市と千葉市の2都市が10%以上の上昇率をとなりました。
上昇率が5%以上10%未満の主要都市は、札幌、福井、京都、大阪、神戸、奈良、岡山、広島の8都市となりました。前年から3都市増加しています。
次に、上昇率が5%未満の都市は、盛岡、仙台、秋田、宇都宮、前橋、新潟、長野、東京、横浜、富山、金沢、岐阜、静岡、名古屋、津、大津、和歌山、徳島、高松、松山、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、鹿児島、那覇の27都市となりました。前年から3都市増えています。
上昇率が横ばいの主要都市は、青森、山形、福島、水戸、甲府、松江、山口、高知、宮崎の9都市です。前年から4都市減っています。
そして、下落した主要都市は、鳥取市の1都市のみでした。昨年から3都市減少しています。
全国の主要都市で路線価の上昇率が高いのは、再開発事業が活発化しているエリアや、コロナ明けで社会経済活動が正常化するとともに、国内外の観光需要が盛り返し、特に訪日観光客が押し寄せているところの傾向があるようです。
令和6年能登半島地震に係る調整率も公表
路線価公表とともに、今年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により被害を受けた土地等を評価する場合に使用する「調整率」も、併せて公表されています。
→ 令和6年能登半島地震に係る調整率表(国税庁)
【投稿者:税理士 米津晋次】
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