《コラム》ハンバーガーをテイクアウトすると節税に?
平成25年度税制改正大綱が発表されました。
最後まで議論されたのが、消費税の軽減税率です。
平成26年4月に消費税率がまず8%に上がります。1年半後には10%になります。
そうなると問題になるのが、「所得に対する逆進性」です。
これは、税率が上がると所得が低い人ほど「収入に対する消費税の割合」が大きくなるという考え方です。
そのため消費税率の高い国々では、食料品などの生活必需品等については税率を低く抑える「複数税率」を採用しているところが多くあります。
しかし、その課税方法は国によって様々です。
例えばイギリス。
食料品の税率は0%でも、温かい商品などは17.5%になります。
また、ドイツでは、
ハンバーガーをお店で食べると税率は19%ですが、
持ち帰れば7%になります。
さらにフランスでは、
キャビアが19.6%で、トリュフは5.5%と定められています。
同じ高級食材とされていても、税率が大きく異なるのです。
このように複数税率は、同じ商品なのにどこで食べるかで税率が異なったり、食料品の種類や状況によって細かく分類されて非常に複雑です。
また、たとえば食料品の税率を下げる場合、どこまでが食料品になるのか、その境界を決めるのも困難が予想されます。
おもちゃにラムネが少し入っている子供向けの商品は、どちらになるのでしょうか?
この境界を決める際には、なんとかその中に入れてもらおうと、各業界から政治家への働きかけが大きくなることも予想されます。
そのため日本では、消費税率を引き上げた場合、複数税率にするのか、はたまた現状のように一律税率のままで、所得の低い人には食料品などの支出に掛かった消費税分を払い戻す方法にするのかが議論がされています。
平成25年度税制改正大綱では、消費税率が10%になるタイミングで、何らかの複数税率の導入を検討する旨が入れられました。
本当は、できるだけシンプルな税制が望ましいと考えますが、みなさんはどのように思われますか?
【投稿者:税理士 米津晋次】