《コラム》二転・三転 児童手当
◆新児童手当は継続する手当となるか
民主党政権時代の目玉政策だった「子ども手当」は、今年度から自公政権時代の「児童手当」に名称が戻りました。
2010年からの子ども手当と新児童手当との大きな違いは、所得制限が設けられる点。
元々は児童手当には所得制限がありましたが、今回の児童手当での所得制限は、例えば夫と専業主婦、子供2人の世帯で年収960万円が基準となります。
◆子ども手当の内容の変遷
2010年3月までの旧児童手当は、所得制限付き(年収860万円までを支給)で3歳未満は1万円、第2子までは5千円、第3子以降は1万円を支給していました。
政権が代わり、民主党がマニフェストで掲げた子ども手当を2010年4月から支給。中学生以下は1万3千円となりました。
その後内容や財政面から検討され、2011年10月からは3歳未満を1万5千円、第2子までを1万円、第3子以降は1万5千円、中学生は1万円となりました。
又、対象者も子供が国内に住んでいる事が条件となりました。
2012年4月からは金額の変更はないものの所得制限が入り、扶養家族数に応じて基準額は違っています。
これは6月より適用となりますが共働き世帯では世帯合計でなく、家族の中で収入の高い人の年収額で判断され、夫婦其々の年収が基準を下回っていれば支給されます。
又、年収制限世帯には中学生以下に1人月5千円が支給される事になっています。
もともとの公約では月2万6千円を配るとしていましたが、財政の裏付けが取れず、月5千円を配るというのも年少扶養控除の廃止で負担が増える世帯への激変緩和として出されるものです。
◆所得税の扶養との関係
平成23年から、子ども手当の支給対象となるお子さんは、所得税の扶養には入らないことになりました。つまり、中学生以下は扶養人数には入らないのです。
所得税の扶養控除と子供手当ての二本建てになって、とてもわかりにくくなっています。
昨年は、毎月の給料計算で、扶養人数の変更がされないまま、年末調整になって所得税の還付が少なくなっただけでなく、不足する人もありました。
◆児童手当拠出金の改正
厚生年金保険に加入している企業は、児童手当拠出金と言う保険料を企業が負担しています。
厚生年金保険の標準報酬に1.3/1000を乗じた額が徴収されていましたが、2012年4月からはこの率は1.5/1000に改定されました。
本人負担はなく企業負担も大きいとは言えない額なので気づきにくいかもしれません。これは児童手当の財源に充てられているものです。