少し困る仕訳の解説(税理士などの支払い)
会計記録をつけるには、さまざまな取引をすべて仕訳に表さなくてはなりません。どんな仕訳にすればいいのか、科目は何にすればいいのか、経理担当者はよく悩みます。どうやって仕訳をすればいいのでしょうか?
■税理士報酬等を支払った場合
税理士、弁護士、社会保険労務士、司法書士などは、所得税法の規定により、一定の金額を支払い者が源泉徴収して国へ納めることになっています。したがって、支払った金額だけの仕訳では不完全です。
「支払報酬等(顧問料や管理諸費、支払手数料などの科目の場合もあり)」は、当然源泉所得税を含んだ金額にならなければなりません。源泉所得税に関する仕訳も必要になります。
なお、源泉所得税は、給料から控除した所得税と同様に、「預り金」で処理します。振替伝票で仕訳をする場合と、預金出納帳に記入する場合に分けて解説します。
(1)税理士等へ報酬を振替伝票で仕訳をする場合
<支払報酬 ×××円 / 預り金 △△△円>
<仮払消費税 ○○○円 / ○○預金 □□□円>
という複合仕訳となります。
(2)税理士報酬等の支払を預金出納帳で仕訳をする場合
預金出納帳
相手科目 預入金額 支払金額
<支払報酬 ×××円
<仮払消費税 ○○○円
という仕訳だけでは源泉所得税に関する仕訳がなく不十分ですので
振替伝票等
支払報酬 ×××円 / 預り金 ×××円
と源泉所得税分の仕訳を追加します。
預金出納帳の中ですべて完結させたい場合には、
相手科目 預入金額 支払金額
<支払報酬 ×××円
<仮払消費税 ○○○円
<預り金 △△△円
というように、源泉所得税控除前の金額を一旦支払い、源泉所得税分が入金になった、という仕訳になります。